遠距離介護体験記

田舎で独居の母が90歳になったのを機に退職し、8年弱遠距離介護をした体験談(姉弟等にメール連絡した内容)及び母亡き後の家、田畑、お墓について

老化が進むも施設入所断固として拒否

歳を考えると無理もないけれど、やはり認知も衰えるし体の老化も進んでいます。にも拘らず相変わらず施設入所等については頑なに拒否をしています。いつまで続くのやら・・・

 

六年目2回目

三日目(2015年6月4日)

昨日はホンの小雨程度、今日は良い天気と言うことで思いの外草刈が進み、現時点で草刈だけは半分終わりました。

さてお婆ちゃんですが、認知がかなり進んでいるようです

近所の親戚でお婆ちゃんの甥にあたる人が亡くなっているにも係らず、言われてやっと思い出したものの、曜日・日にちは当然覚えていません。

動きもかなり億劫らしく中々動き始めません。当然掃除・洗濯等は面倒がりやりません。風呂も何回も言ってやっと昨日入りました。

飲み・食いは何とかやっている感じです。

近所の親戚(70代半ばの女性で独居)の話によると、周辺の人も心配をしているとのこと。そのことをお婆ちゃんに伝えても「自分で何とかなっているから」と言い張り頑として施設入所を拒否しています。

ただ近所の親戚には「自分も腹を括っているので、もし何かあればお手数を掛けるけれど、取り敢えず119番にだけは連絡して欲しい」と依頼しました。

市の方にも相談をしましたが、本人の拒否がある場合は無理とのことでした。

お婆ちゃんには笑いながらだけれど、「食べるだけだと犬猫に近づいたね」と言うと、「うん」と平気です。

尚電話は甥のお陰で電源がしっかり入っていました。

お婆ちゃんに電話の位置が、以前と今でどちらが良いかを確認したら、このままの位置が良いとのことだったのでこのままにして置きます。但し留守電には切り替わらないようにセットしました。

五日目(2015年6月6日)

今日午後2時半頃草刈が終了しました。

6年目に入り、私の体力は衰えつつあるものの、草刈技能が向上し順調に終了しました。段々要領良くなりつつあるものの何時まで続くかは疑問。

一部シルバー等を雇うとか、地面にシートを張る等の対策をこれから検討しなければならないかも・・・

さてさて先般はお婆ちゃんについて事実とは言え、やや暗い感じの話でしたが、今日は先ほど撮った写真を添付します。(写真省略)

家の中では大体這って移動ですが、外では鍬を杖代わりに5m位地面の草をたたくとその辺に腰をおろしながら休憩です。

そこで褒める積もりで「お婆ちゃん95歳まで良く頑張ったね」と言ったら「そんなこと言うな」との事。「なんで」と尋ねたら「これからもっと生きるのだから」だと。参りました。

お婆ちゃんには楽で小奇麗な生活を送るか、大変でしかも汚くても気ままな生活を送るかを確認したところ後者を選びましたので、本人も覚悟の上ですから何か急変でもしない限りこの状態で徐々に老いて行くのでしょう。

何時切り替えるかは本人が「降参」と言い始めた時だと思っています。

六日目(2015年6月7日)

今回は来る前は少し心配していましたが、来てみて概ね予想通りでしたので、10日にこちらを出発予定です。

お婆ちゃんには今朝ほど市で紹介のあった施設について、インターネットで写真を見せながらサービス(在宅、ショートステイ、入所等々)について説明しました。

「段々年を取るとやがてお世話になる事は間違いないよ」とか、「どうせお世話になるのであれば早い段階から徐々に慣れた方が良いよ」とか、「近所の人・親戚皆がその方が良いと思っている」等について言い聞かせながら・・・

写真を見ながらの説明であったのと、施設が綺麗だった等で結構真剣に聞いていましたが、今回は見送るとのこと。

予想はしていましたが、また次回同じことを説明します。根気比べです。

どうせ忘れると思いますが・・・

と言うことで後は周辺整備等をして今回は終了です。

 

十日目(2015年6月11日)

無事帰宅しました。

さて記録を兼ねて結果報告します。

・お婆ちゃんの状況

95歳という年齢を考慮すると、「凄い」と言う一言でしょう。

しかしながらやはり年齢には勝てないと言うのもこれまた事実。

認知の方はかなり進んでいて、弁当の配達日は相変わらず毎日(実際は月・水・金)、曜日の感覚等は殆どありません。それでも食べることに関しては極めて旺盛で、体もここ5年病院のお世話なっていません。

動きはかなり大変らしく、家の中では基本は這うのと立って歩くのが半々位で、動きのない時は殆ど寝ています。一日一時間前後外に出ますが、多分気分転換だと思います。大体が座って休憩し、その合間に草取りと言った感じです。

さて今後ですが、本人は「自分で動ける内は誰にも気使いをしないで自宅で頑張りたい」と言っています。少々汚れていようがどうだろうが全く気に掛けていません。

その気持ちは分からないでもありません。今まで歯を食いしばって頑張って来たという自負と老いて味覚・聴覚の鈍化に加え性格的(戦前・戦後の厳しい環境、漁業の子として生まれた後、百姓の嫁として頑張ってきたからかも知れない)なことがあるのでしょう。

「でも体が思うように動けなくなるか、怪我をする等突然の変化があれば施設だよ」と言うのは説明してあります。

どこまで覚えているかは疑問ですが・・・

その辺の綱引きと言ったところでしょう。

 

本日は以上です。