遠距離介護体験記

田舎で独居の母が90歳になったのを機に退職し、8年弱遠距離介護をした体験談(姉弟等にメール連絡した内容)及び母亡き後の家、田畑、お墓について

最後に

7結び

団塊世代の我々がこれから被介護者になる事を考えると、公的介護の制度が更に充実して行くでしょうが、如何なる死に様を迎えるかを覚悟しておくことも大事だと思います。

これも、お金のある人無い人、身近にお世話をしてくれる方がいる人そうでない人、インフラが整っている場所かそうでないか等色々だと思いますが、人に頼る積りであるならばお金を貯めて置くとか、不便な所でも自然の豊かな所で過ごしたいと思うのであれば公的支援が受けられなくて命が短くなっても良いと覚悟するとか、各個人の死に方の覚悟の問題もあると思います。その覚悟なしに、自分の要求だけでインフラも含め日本全国均一に整備を要求するのは間違いだと思います。何処かでしっかり線引きをして、線からはみ出している部分は自己責任にしないと日本の経済が成り立たないでしょう。

それから、老いてくると本能的欲求は食欲と睡眠欲が主ですが、介護の方向として、本人の欲求を満たした日を一日でも多くしてやることが大切だと思います。良く平均寿命の長さを比較されていますが、それが必ずしも満足度ではないという事です。そういう観点で、私はホスピスの発想に大賛成で是非その考えを介護の世界に取り込んで欲しいと思います。

最後に、介護と言うと、被介護者が亡くなる迄が主になり勝ちですが、その後の家・お墓・田畑の管理をどうするかという問題があります。

これは、田舎に行けば行くほど、空き家・耕作放棄地が増えている原因をもっと真剣に検討しなければ益々増えるでしょう。要は仕事が無いのです。田の有効利用をしようとしても、農業以外は駄目だと言われると、遠くからでは手が出せません。何かやろうとしている人に売却しようとしても出来ません。これでは空き家・耕作放棄地が増加するだけだと思います。一律に規則で縛るのではこの解決にならないと強く思っていますので、早急の改善を期待しています。

 

以上をもって終わります。

 

補記

後で読み返していて感じましたが、一回一回完結せず続き物のごとく書いていますので、最初から読んで頂いた方が読みやすいかと思います。尚介護体験については、「体験から学んだことのまとめ」に要約しています。