遠距離介護体験記

田舎で独居の母が90歳になったのを機に退職し、8年弱遠距離介護をした体験談(姉弟等にメール連絡した内容)及び母亡き後の家、田畑、お墓について

持てる者の悩みだ

老いて思うように体が動かないのと、昔ながらの農家の家の広さ、性格的なもの等が相なして今の整理整頓がなされていない状況になっていると思いますが、本人は全く意に介していません。でも綺麗になるのは気持ち良いようです。

 

35日目(2010年8月16日)                                           

 今日は、お婆ちゃんはお盆の送りの日とかで朝4時半から出かけました。私は5時に起きて洗濯、炊事、缶ごみ捨てをし、その後一息入れてから郵便局に行って定期解約、それを農協に移し、午後は法務局と買い物でした。少し早いが、今日はこれで終了です。

① 送り

仏壇に供えた食べ物を川に流すのだそうです。流し灯篭に似た感じですが、お婆ちゃんは朝早くから出かけました。自分は関心がないので寝ていましたが、眠られず5時に起きました。5時と言うと来た時は明るかったが、最近は未だ暗く、日が短くなったと感じた次第。

② 洗濯、炊事、缶ごみ捨て

洗濯機も若い時使っていた物と同じ二槽式で手慣れたものです。洗いが終わると排水をしながら風呂の残り水をタライに入れて粗すすぎをし、洗濯機の水槽に水が溜まった頃すすぎを起動させ、10分もすると水が澄んできますからその時点ですすぎを止め、脱水し干す。これを2回やると溜まっていた洗濯ものが無くなり綺麗になっています。炊事も味噌汁、卵焼きか焼き魚、漬物、昆布等々。お婆ちゃんは間食を良くするので、食事時はあまり食べません。缶ごみは先日壊しておいたガステーブルも一緒に捨ててすっきりしました。でもビンを始め限りなく次の物が出てきますが・・・

③ 郵便局と農協

通帳通りの金額230万円と利息がありました。お婆ちゃんに「良かったね」と言ったら、「うん」と言った後「元が違うから」即ち元々金があるからとのこと。「それなら管理をしっかりしないとね」と言った所「持てる者の悩みだ」と。記憶は大分悪くなっているけど、減らず口は相変わらず。普通通帳は899円でしたが、何かの時(振り込んだりする時に、遠くでも手数料がかからない等)のためにそのままにしてあります。

その後農協に行き、200万円を定期にし、端数をお婆ちゃんの環境整備に使おうと言う事になりました。なお農協の古い通帳と、国債の預かり証は当然のこととはいえやはり処置済みでした。

④法務局

午後法務局に行ってきました。お陰さまで無事申請通り通りましたので、ご報告します。なお土地に関してはお婆ちゃんの名義が一筆ありますので、ご承知おきください。

⑤買い物

お婆ちゃんの部屋の敷物ですが、この前親戚にお線香をあげに行く途中、下見をしていた物を買いました。

36日目(2010年8月17日)                                                             

今日は朝からお婆ちゃんの部屋の片付けでした。8割位片付きましたが、最

後の片付けはレイアウトで頭を使いそう。

先ず天井を拭き、敷物を取り除き、畳の水拭きを何回もし、新しい敷物を少し

敷きながら他の部屋に移していた箪笥もどきを戻し、未整理の箪笥もどきを出

しながらの手順でやっと8割位進みました。その間ミイラ化したネズミがまた

出てきた時、お婆ちゃんやっぱり三回あったと大威張り

冗談はさておき、下着、上に着る物、靴下・ストッキング、夏物、あい物、冬物

兎に角多く、古い物から新しい物までまるでお婆ちゃんが五人いる位の量

持っています。物の管理にしても、整理にしてもまるで思いつきそのもので、物

が大事と言いながら全然大事にしていない相矛盾した行動は親とは言え理解に

苦しみます。

幾ら忙しかったとは言え、これだけ広い家で誰に指摘されることなく自分の思

い通りにしてきた事と、残念ながら年老いて周りの変化に適応できず、慣習の

なせるままに来た結果を息子が尻拭いしていると思っています。

話は変わって襖も破れる等相当傷み切っていましたので、新しくすることにし

ました。

37日目(2010年8月18日)                                                            

昨日のメールで忘れていましたが、一昨日の夜私の甥(姉の息子)が長崎軍艦島に行って来たと言ってお婆ちゃんにカステラの土産を持って来た。久しぶりに会ったが元気で何よりでした。

さて今日はメインであったお婆ちゃんの部屋の片付けは概ね終了しました。

それぞれの箪笥の引き出しの方向が全部で10方向あり、どの様に配置するかという難問題がありましたが、変則ながら取りあえず、全部引き出せるように配置しました。

取り掛かる前は死んでいる箪笥が3から4あったと思います。

当然中に入っている物も、そのまま放置ですからあってもなくても良い物だった訳ですが、出てくるとそうはいかないようでした。

鞄、衣服類は数知れずあり、お婆ちゃんに「鞄屋さんでもするのか」と聞いたところ、「百貨店を開くのだ」そうです

何れにしても午前中に天井を含め全部拭き、敷物を新しくし、外に出していた箪笥等を取りあえず中に入れました。

午後農協から保険の件で来客があり、その対応をしている際にお婆ちゃんが俄然張り切り、未だ良く拭き取っていない物も含め、空いている場所に今までと同様取りあえず収納する要領でめくら滅法しまわれたのにはガックリしました。

その後薬屋さん(薬箱が5個あり5ケ所の薬屋さんが出入りしている)が訪問販売に来たので、これ幸いと薬箱を置くのを取りやめて貰いました。

そんな訳でかなり変則的なレイアウトですが、それなりに綺麗になりました。後襖が入ればもっと見栄えがすると思います。

 

本日は以上です。